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ふるさと納税も値上げ!9月の駆け込みはお得?

最近、人気の「ふるさと納税」。

例年、寄付額は年収が確定しやすい年末にかけて急増しますが、今年はすでに7月から急増しています。

何が起こっているのでしょうか?

1.「ふるさと納税」とは


そもそも「ふるさと納税」とは、応援したい自治体に寄付できる制度です。

年収や家族構成などによって決定する上限額の範囲内で寄付をすれば、寄付金額から2,000円を引いた金額が、住民税や所得税の控除・還付の適用対象となります。


そして、最大の魅力は、寄付のお礼として、地域の特産品(返礼品)がもらえることことです。


ふるさと納税の利用者は年々増加し、令和4年度は前年度比1.2倍の約9,654億円、件数も前年度比約1.2倍となる約5,184万件となっています。

2.10月から何が変わる?


人気の「ふるさと納税」ですが、見返りが過剰な返礼品を用意した自治体に寄付金が集中した結果、各自治体の間で収支格差が広がるという問題が生じました。

これを受けて、総務省は2023年10月1日から、さらに基準を厳格化することを発表しました。


変更点は大きく2つ。


(1)経費「5割ルール」の厳格化


1つは、経費「5割ルール」の厳格化です。

ふるさと納税に割り当てられる地方自治体の必要経費には「5割ルール」と呼ばれる基準があります。

募集に必要な経費は、寄付金額の5割までとするルールです。

ちなみに、返礼品は寄付金額の3割までです。


例えば、10,000円を寄付した場合、受け取る返礼品の金額は約3,000円となります。

このうち必要経費にできるのは、5,000円(寄付金額の5割)から返礼品3,000円(寄付金額の3割)を差し引いた2,000円までとなります。


10月からは、経費に含まなくてよいとされていた「発行事務費用」や「送料」「ポータルサイトの利用手数料」などの項目も費用として算入することになります。


地方自治体は、今までより「募集に関する費用」をカバーしなければならなくなりました。


(2)地場産の基準の厳格化


そして、もう1つは、地場産(その地域でつくられたもの)の基準の厳格化です。


この基準の変更については、2種類に分かれます。



返礼品として人気のある肉や精米のなかには、海外からの輸入肉を地元で熟成させて地場産品としているものもあります。


こういった商品を「地場産」と認めて良いのかなどの指摘もあり、10月からは熟成肉と精米は、同じ都道府県で生産されたものを原材料とする商品のみに限定されます。


例えば、海外から輸入した肉を熟成させるだけでなく、独自の味付けやカット方法で加工するなど、その地域でオリジナルの価値を付加した商品が返礼品と認められます。


②セットの地場産は7割以上


他の地域と地元産の品をセットにする場合は、「関連性のあるものかつ主要な部分を占めるもの」から、「地場産が7割以上」というルールに変更となります。


影響を受ける自治体や返礼品は多くありませんが、なかには無くなってしまう可能性があります。


3.変更の影響は?


ふるさと納税のルール変更にともない、利用者にとっては、いくつか残念な影響が考えられます。


(1)寄付金額の値上げ


経費に含める項目が増えたことにより、その分を寄付金額の値上げ分でカバーすることが考えられます。


昨年度ランキング2位だった北海道紋別市は、10月から、返礼品約700品目のうちホタテやいくらなど9割ほどを値上げする予定です。


また、ランキング3位の北海道根室市や、6位の佐賀県上峰町では、既に寄付金額を値上げしている商品もあります。


(2)内容量の減少


経費に含める項目が増えたことにより、値上げをしない代わりに内容量の減少でカバーすることも考えられます。

また、品質を低下せざるを得ない場合もあるかも知れません。


(3)取扱商品の終了


熟成肉・精米は同一都道府県内産のみという地場産の基準の厳格化によって、商品が提供できなくなることが考えられます。


ランキング5位の泉佐野市によれば、府内で飼育される牛(年間約780頭)全てを仕入れたとしても、現在取り扱う熟成肉の1カ月分の量に満たないということです。


4.9月の駆け込みはお得?


では、変更となる10月を前に、9月の駆け込みはお得でしょうか?


(1)10月に値上げ予定の商品


「値上げ予定」とキーワード検索すると、対象商品が出てくるポータルサイトもあります。


お肉やお米を中心に値上げが予定されている商品は多く、9月中に申し込むのがお得だと言えます。


ですが、寄付金控除を利用したい場合は、寄付する前にポータルサイトなどで上限額を確認しておきましょう。

控除の上限額は、年収や家族構成によって異なりますが、9月時点では今年の年収が変動するかも知れません。


不安がある方は、9月は予想の6~7割程度に抑え、ある程度年収がわかる12月に残りを追加するといった方法もあります。


(2)訳あり品


形やサイズなどが悪く商品価値が低い「訳あり品」は、もともと正規品より量が多いという商品が多くあります。

今回の変更による内容量の減少や、値上げの可能性もありますが、正規品よりはお得度が続きます。


9月の駆け込みがお得かどうかは、微妙なところです。


(3)9月終了となる商品


ふるさと納税のポータルサイト「ふるなび」のように、9月末に終了する返礼品の特集をおこなっているところもあります。

変更にともなうだけでなく、季節要因で終了になるものもあります。

いつも選んでいた返礼品が終了しないか、チェックしておくのもいいでしょう。


ですが、すでに提供が終了している商品もあり、9月中に駆け込んでもお得に利用できるとは限りません。


5.まとめ


ふるさと納税の過度な返礼品競争を防ぐため、総務省が基準変更を自治体に通知したのが6月。


やや急と思われる基準変更は、利用者はもちろんですが、今まで返礼品の開発や設備投資をしてきた企業に多大な影響を及ぼしていると思われます。


変更前の駆け込みだけでなく、処理水問題による中国の水産物輸入停止に対し、応援の意味で寄付する動きもあります。


返礼品はもちろん魅力的ですが、ここは原点に立ち戻って、心から応援したい地域を選んでみてもいいのではないでしょうか。


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#ふるさと納税 #10月 #駆け込み

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