今こそ知りたい!外貨資産投資入門
- kaori34
- 1 日前
- 読了時間: 18分
最近は、日本円だけでなく、外貨資産へも分散投資する方が増えてきました。
ですが、投資初心者のなかには「何から始めたらいいかわからない」という方もいらっしゃるのではないでしょうか。
それにはまず、外貨資産の基本を、しっかりおさえておくことが重要です。
基本に立ち戻ると、自分に合った投資方法が見つけやすくなります。

1.外貨資産投資とは
外貨資産とは、米ドルやユーロなどのような日本以外の国の通貨(外貨)運用する金融商品のことです。
他にも、「外貨建て資産」「外貨建て金融商品」と呼ばれることもあります。
金融商品の他にも、原油、金、不動産などの実物資産を含む場合もあります。
その「外貨資産」に投資することを、「外貨資産投資」と言います。
投資した資産の価値は、為替相場によって変わります。
為替相場は刻々と動いており、購入したときより円安になれば利益、円高になれば損失となります。
例えば、アメリカの株式に投資した場合、最も利益が大きくなるのは、株式が値上がりし円安になるとき。
逆に、最も損失が大きくなるのは、株式が値下がりし円高になる時です。
商品そのものに加えて、為替の値動きにも注意しなければならないため、円建て商品への投資に比べて、投資判断は難しくなります。
2.外貨資産投資のメリット・デメリット
外貨資産投資には、メリットとデメリットが大きく4つずつあります。
(1)メリット
①円安になると為替利益
購入した時よりも為替相場が円安になると、為替差益が得られます。
「為替差益」とは、為替レートの変動によって得られる利益のことです。
例えば、1ドル140円の時に100ドル分を購入した場合、日本円に換算した投資金額は14,000円になります。
その後、1ドル150円と円安になった場合の評価額は、15,000円になります。
手数料や税金を考慮しなければ、1,000円の利益を得ることができます。
②国内より利回りが高い
海外の金融商品は、日本と比べて利回りが高い傾向にあるため、より多く利益を得られる可能性が高くなります。

日本の金利も上昇基調ではありますが、アメリカをはじめとする世界各国の金利に比べると、まだまだ低い水準です。
金利が高いということは、その分リスクとなる場合もありますが、金利の面だけで見れば、金利の高い国に預金するだけで、より多くの利息をもらえる可能性があります。
③円安によるインフレリスクを軽減できる
「インフレと」は「インフレーション」の略称で、世の中のモノやサービスの価格(物価)が上昇することです。
「インフレリスク」とは、インフレになることで、お金の実質的な価値が低減するリスクのことを言います。
⾷料や原材料などの多くを輸⼊に頼っている⽇本では、円安が進むと、輸⼊されるモノの価格昇によって国内物価も上昇する可能性があります。

例えば、価格が10米ドルの豚肉を購入したとします。
為替相場が1米ドル=150円のときの豚肉の価格は、日本円に換算すると1,500円です。
為替相場が1⽶ドル=170円と円安になると1,700円に値上がりしまます。
日本円で保有していた場合は、1,500円のままで変わらないため、値上がりした豚肉は購入できません。
これは円安によって、円の実質価値が下がったことになります。
ですが、米ドルで保有していた場合は、円安に伴って価値が1,700円に上がるため、値上がりした豚肉を購入することができます。
このように、円安によって日本円の価値が下がり、インフレが起こる状況でも、外貨資産を保有することで、資産価値の値下がりを抑える効果があります。
④分散投資ができる
投資の世界では、「卵を1つのカゴに盛るな」という格言があります。
これは、卵(=資産)をすべてを一つのカゴに入れていた場合、カゴを落としたしまうと全て失いますが、複数のカゴに分けて入れておくと、被害は1つのカゴだけに抑えられるという「分散投資」の必要性を説いたものです。
分散投資のおもな方法は、3つ。
株式や債券など複数の資産に投資する「資産の分散」。
複数の国や地域に投資する「地域の分散」。
積立のように、タイミングをずらして投資する「時間分散」です。
外貨を分散することは、この「地域の分散」にもつながります。
(2)デメリット
①円高になると損失
外貨資産投資で、一番不安に思うのは、このデメリットではないでしょうか。
どんなに高利回りの債券であっても、確定しているのは外貨建てに対してだけです。
円安になれば利益になりますが、円高になれば一転して、損失になります。
例えば、1ドル140円の時に100ドル分を購入したとします。
投資金額は、日本円に換算すると14,000円」になります。
その後、1ドル130円と円高になった場合の評価額は、13,000円になります。
手数料や税金を考慮しなければ、1,000円の損失となります。
②為替手数料がかかる
為替手数料などのコストがかかるのもデメリットです。
「為替手数料」とは、日本円と外貨を両替する際にかかる手数料のことで、金融機関や外貨の種類によって異なります。
頻繁に売買を繰り返してしまうと、その分、為替手数料がかさんでしまいます。
③カントリーリスクがある
カントリーリスクにも注意が必要です。
「カントリーリスク」とは、投資する国の政治や経済、社会情勢によって、資産の価値が変動することです。
このカントリーリスクは、先進国よりも新興国のほうが高い傾向があります。
④情報収集が難しい
投資では、投資商品や投資国の経済情勢、税制、法規制などの情報を把握しておくことが必要です。
ですが、日本で得られる情報が限られている場合も少なくありません。
言語の壁や情報開示の不足などから、十分な情報を得るのが難しいケースもあります。
他の投資と同じく外貨資産投資にも、メリットとデメリットが存在します。
十分に内容を理解してから、投資を始めるようにしましょう。
3.為替相場の基本をおさえる
外貨資産投資をするうえで、おおきなポイントは「為替」です。
投資する商品や国について調べるのは当然ですが、為替相場がどのような仕組みで動くのか、基本的なところをおさえておきましょう。
為替相場は、株式や債券の相場とは少し異なる性格を持ってます。
株価や債券の金利(利回り)は、上がるか下がるかを考えます。
対して、為替相場は、日本円が上がれば、それと同時に外貨が下がるという相対的な関係になっています。
このため、円が上がるときは「円高・外貨安」、円が下がるときは「円安・外貨高」と表記されます。
(1)為替相場を動かす基本材料
為替相場は、世界のあらゆる出来事を材料にして動きます。
景気だけでなく、政治や戦争、事件、天候などさまざまです。
世界中のあらゆる出来事に目を配り、その出来事が円高円安のどちらの材料になるのか考えて、判断していくことはかなり難しいことです。
そのため、まずは基本的なポイントとして、専門家がよく注目する材料を2つ、おさえておきましょう。
①金利差
1つは、2つの国・地域の「金利差」です。
お金は、金利が高い方の通貨へと流れやすくなります。
金利において注目されるのは、各国・地域の金融政策の動向です。
目安は、各国の中央銀行がおこなう政策金利の引き上げや引き下げです。
一方の中央銀行が政策金利を引き上げ、もう一方の中央銀行が政策金利を引き下げれば、投資家は金利が上がる通貨を買い、金利が下がる通貨を売る傾向があります。
中央銀行の関係者がどんな発言をするのか、経済統計がどう動くのかも、金融政策の動きを予想する手がかりになります。
為替相場は、こうした発言や経済統計の発表時、あるいは、発表前の思惑でも敏感に反応します。
②需給差
基本材料のもう1つは、モノやサービスの売買にともなうお金の量を比べる「需給差」です。
たとえば、日本からアメリカに商品を輸出する場合を考えてみましょう。
その商品がアメリカで販売されれば、その代金を日本円で送金するために米ドルを売って日本円を買います。
今度は、日本がアメリカから商品を輸入する場合は、逆にアメリカへの送金のために日本円を売って米ドルを買います。
この輸出や輸入をおこなうたびに、為替取引が発生します。
貿易やモノの需要が多い黒字国の方へ、お金が流れやすくなります。
こうしたモノやサービスの売買状況を確認するためには、財務省が毎月発表している「国際収支状況」や「貿易統計」が役に立ちます。
為替を動かす材料はさまざまありますが、この基本材料2つは最低限、覚えておきましょう。
(2)為替相場は24時間動いている
為替の取引は、世界中の通貨が対象のため、基本的に休日以外は24時間おこなわれています。

日本時間で、何時から何時までと区切られているわけではありません。
為替に大きく影響するような出来事が起これば、わたしたちが寝ている間にも相場が大きく変動する可能性があります。
(3)為替レートと手数料のしくみ
「為替レート」とは、通貨を外貨に交換する際の取引価格や交換比率のことです。
テレビや新聞でよく見る「1米ドル=○○円」というのが為替レートです。

取引価格は、状況に応じて、「TTM」「TTS」「TTB」の3つに分かれます。
①TTM(電信仲値相場)
「TTM」は、「Telegraphic Transfer Middle rate」の略称です。
日本の金融用語では「電信仲値相場」、または単に「仲値」とも呼ばれます。
ある時点での日本円と外貨の交換レートの基準となる数値で、「TTS」と「TTB」の中間値になります。
TTM(電信仲値相場)は為替レートを参考にして、各金融機関が独自に設定しています。
毎営業日の午前10時頃に発表され、市場でリアルタイムで動いている為替レートとは切り離して、その日1日適用されます。
ただし、著しく変動した場合は、適宜修正されます。
②TTS(電信売相場)
「TTS」は、「Telegraphic Transfer Selling rate」の略称です。
日本の金融用語では、「電信売相場」と呼ばれます。
金融機関が顧客に外貨を販売するときに用いるレートです。
わたしたちが、日本円を外貨に交換するときに適用され、基準値である「TTM(電信仲値相場)」に為替手数料を含めた値になります。
例えば、TTM(電信仲値相場)が1米ドル=100円で、為替手数料が1ドル=1円だったとします。この場合のTTS(電信売相場)は、101円になります。
日本円を1米ドルに交換したい場合は、101円の支払いが必要になります。
③TTB(電信買相場)
「TTB」は、「Telegraphic Transfer Buying rate」の略称です。
日本の金融用語では、「電信買相場」と呼ばれます。
金融機関が顧客から外貨を買い取るときに用いるレートです。
わたしたちが、外貨を日本円に交換するときに適用され、基準値である「TTM(電信仲値相場)」から為替手数料を差し引いた値になります。
例えば、TTM(電信仲値相場)が1米ドル=100円で、為替手数料が1ドル=1円だったとします。この場合のTTB(電信買相場)は、99円になります。
1米ドルを日本円に交換したい場合は、99円の受取になります。
(4)それぞれの通貨の特徴を知ろう
現在、世界の通貨は180種類以上あると言われています。
そのなかで、最も使われている通貨は米ドルです。
世界最大の経済大国であるアメリカのドルは、「基軸通貨」とも呼ばれ、代表的な存在になっています。
通貨は、基本的に1つの国に1つですが、ユーロのように、ヨーロッパの国々の共通通貨もあります。
通貨を地域で分けた場合は、大きくは「先進国」と「新興国」の2つに分かれます。

①先進国の通貨
先進国通貨のイメージは、米ドルやユーロなどでしょうか。
先進国の通貨のメリットは、新興国と比較すると値動きが安定している点です。
世界での流通量が多いため、何か事件が起こったとしても、為替相場が乱高下するリスクが比較的低いと言われています。
ニュースや新聞で取り上げられることも多いため、情報収集も容易です。
ですが、先進国の経済は成熟している分、急成長が見込みづらいとも言えます。
新興国と比較して金利も低めの場合が多いため、大きな為替差益が得られにくい面もあります。
どちらかと言えば、ローリスク・ローリターンな通貨と言えます。
②新興国の通貨
新興国通貨のイメージは、インドルピーやトルコリラなどでしょうか。
新興国通貨のメリットは、労働力人口が多く将来の成長余地も大きいため、急成長が期待できる点です。先進国と比較して、金利が高い傾向にあります。
ですが、ひとたび世界経済が悪化すれば、経済基盤がぜい弱で世界での流通量も少ないため、通貨が急落する可能性があります。
為替手数料も、先進国通貨と比較して高い傾向にあります。
どちらかと言えば、ハイリスク・ハイリターンな通貨と言えます。
4.外貨資産の種類と特徴
リスクの低いと思われる商品を、上から順番にまとめてみました。
金融機関によって、「取扱い」「手数料」「利回り」などに格差があるため、イメージとしてご参照ください。

(1)外貨預金
外貨預金は、外貨で運用する預金です。
「外貨普通預金」や「外貨定期預金」など、いくつか種類があります。
円預金と同じように、預けた期間中は利息がもらえ、基本的に外貨ベースでの元本が確保されます。
メリットは、通貨の種類や金融機関によって異なりますが、金利(利回り)が日本より高い傾向にあり、あらかじめ利息が何%と確定していることです。
デメリットは、金融機関によって異なりますが、為替手数料がかかり、定期預金だと中途解約ができない、または解約できでも、預けたときの利率ではなく中途解約用の利率が適用されることです。
また、預金ではありますが、金融機関の破綻時に1,000万円まで保護される「預金保険制度」の対象ではありません。
商品の仕組み自体は、それほど複雑ではないため、外貨資産投資のなかでは比較的始めやすいかも知れません。
特に、海外に行く機会が多い方や、外貨を利用する機会が多い方は、選択肢になるかも知れません。
(2)外貨建てMMF
外貨で運用するMMFを「外貨建てMMF」と言います。
MMF(Money Management Fund)は、公社債やCP(コマーシャルペーパー)、CD(譲渡性預金)といった短期の金融商品を中心に運用する投資信託です。
売買手数料は、発生せず、特にペナルティなしで換金できます。
メリットは、相対的に利回りが高く、30日を経過すれば、いつでも手数料なしで解約できることです。
また、分別管理されているため、もし預けている金融機関が破綻しても、外貨建てベースでの資産は保全されます。
比較的安全性が高い投資信託ではありますが、デメリットは元本保証ではなく、運用実績となるため、利息は預入時にはわからないことです。
また、投資信託のため、為替手数料の他、保有中のコストがかかります。
入出金の制限にとらわれたくない方や、外貨預金より少し高い金利が欲しい方、自由な投資がしたい方は、選択肢になるかも知れません。
(3)外貨建て債券
外貨建て債券は、購入時の支払いや利息・償還金の受取りを外貨でおこなうものです。
「外国債券」や、「外債」とも言います。
債券は、国・自治体・企業などさまざまな団体が資金を調達するために発行し、私たちが債券を購入することで、その発行元にお金を貸している状態になります。
保有中は利息が受け取れ、満期になれば投資元本が返ってきます。
国が発行する債券を「国債」、企業が発行する債券を「社債」と言います。
リスクは、基本的に株式より低い傾向にあります。
メリットは、日本よりも相対的に金利が高く、投資先の破綻がなければ、外貨ベースでの元本が保証され、あらかじめ確定した利息が定期的に受け取れることです。
おもな商品には、「米国債」があります。
米国債は、世界の基軸通貨であり、信用力が高く、基本的には安全資産と言われています。
他国の国債よりもバリエーションが多く、運用期間や利回りなど、自分の好みに合わせて選びやすいのも特徴です。
外貨建て債券全般のデメリットは、取引自体には手数料がかからないものの、取引価格に含まれている手数料がどれ位か不透明なことや、商品によっては満期前の売却が難しい場合があることです。
また、新興国の債券の場合は、先進国よりもリスクは高い傾向にあります。
外国株よりはリスクを抑えて投資したい方や、高い利回りで国債に投資したい方などは、選択肢になるかも知れません。
(4)外貨建て保険
外貨建て保険は、払い込んだ保険料が外貨で運用される保険です。
保険と言っても、病気やけがをしたとき保障されるタイプではなく、資産運用できる「貯蓄型」と呼ばれるタイプです。
原則、決済は外貨でおこなわれますが、特約で日本円を選択できる商品もあります。
種類は、満期がない「終身保険」、満期がある「個人年金保険」、株式などで運用する「変額保険」など、さまざまあります。
万が一、運用中に亡くなった場合は、指定した受取人に保険金が支払われます。
メリットは、日本よりも相対的に高い利回りです。
外貨ベースでの利率が固定されているタイプでは、定額の終身保険や年金保険などがあります。
なかには、あらかじめ目標を決めて、何パーセントの利益がでたら自動的に解約して日本円で運用するという「ターゲット」機能が備わったものもあります。
デメリットは、まとまった資金が必要であり、コストも比較的高く、早期の途中解約の場合は外貨建てベースでも元本を下回る場合があることです。
高コストでも長期で運用するから構わない方や、資産運用と保障をまとめたい方や、目標値がきたら自動的に円資産に移行したい方などは、選択肢になるかも知れません。
ですが、デメリットの方が気になる方は、保障と資産運用は分離して商品を検討した方がいいかもしれません。
(5)外貨建て投資信託(海外ETF)
外貨建て投資信託は、売買の決済を外貨でおこなう投資信託です。
円建て投資信託の中でも、海外資産に投資する商品であれば、間接的に外貨資産投資をしているとも言えます。
投資信託とは、多数の投資家から集めた資金を1つにまとめて、運用のプロが株式・債券・不動産などの資産に分散して投資する金融商品です。
外貨建て投資信託の多くは、海外で設定・運用される外国籍の投資信託です。
そのうち、海外の取引所に上場している投資信託ETF(=上場投資信託)は、「海外ETF」と呼ばれます。
海外ETFのメリットは、株式投資のようにリアルタイムで取引でき、低コストでの運用や投資信託のため最初から分散投資ができることです。
海外ETFのデメリットは、金融機関によって異なりますが、国内ETFより売買手数料が高い傾向があり、投資する国の市場によっては夜間の場合があることです。
また、分配金の再投資は自分でおこなう必要があります。
ある程度分散投資がしたい方や、リアルタイムで自分の決めた金額で注文したい方、すでに国内の株式や投資信託の取引がある方などは選択肢になるかもしれません。
(6)外貨建て株式
外貨建て株式は、外国籍の企業が発行する株式です。
「外国株」や「海外株」とも、言われます。
株式とは、企業が資金調達のために発行し、購入して保有すれば、「配当金」が受け取れたり、企業が成長して株価が上昇したときに売却すれば「値上がり益」を得られます。
メリットは、世界的に有名なグローバル企業に投資できるため大きな収益が狙えることや、日本企業よりも配当利回りが高い傾向にあることです。
デメリットは、証券会社によって異なりますが、日本株より売買手数料が高い傾向があることや、国内株式よりも投資企業の情報収集が難しいことです。
また、投資する国の市場によっては夜間になります。
既に日本株式の投資経験があり投資の幅を広げたい方や、投資先の企業分析ができる方などは選択肢になるかも知れません。
(7)FX(外国為替証拠金取引)
FXは、「Foreign Exchange」の略称です。
日本の金融用語では、「外国為替証拠金取引」と言います。
為替の値動きを利用して利益を得るという点では、外貨預金と似ているため、「外貨預金」「外貨建てMMF」「FX」の3商品は比較されることがあります。
FXが他商品と大きく違う点は、「レバレッジ」という仕組みがあることです。
レバレッジとは、取引の最初に証拠金を預け、それを担保に少額でも大きな金額を取引できる仕組みのことです。
例えば、レバレッジ25倍なら10万円の元手で250万円分の取引ができるというイメージです。
メリットは、元手の資金以上に大きな金額の取引ができ、レバレッジ効果によって高い収益を狙えることや、基本的に24時間取引できることなどです。
デメリットは、損失が出てきた場合、レバレッジ効果で損失がさらに膨らんでしまうことです。
追加で証拠金が必要になる「追証」や、強制的に決済して取引を完結する「ロスカット」が必要になる場合があります。
短期間で高い収益を狙いたい方や、豊富な投資経験がある方、潤沢な余裕資金や時間がある方などは選択肢になるかも知れませんが、かなりハイリスク・ハイリターンな投資方法です。
5.まとめ
外貨資産投資には、さまざまな方法がありますが、他と同じく、「長期・分散・積立投資」が基本です。
例えば、株式と債券に、資産を分散する。
先進国通貨と新興国通貨に、地域を分散する。
あるいは、米ドルとユーロのように、リスクが比較的低い先進国通貨だけに絞って分散するというのも、一案です。
いろいろ投資すると、手続きや管理が大変だという方は、複数の国の資産に投資する海外ETFのような外貨建て投資信託。
また、世界の資産や痛快に投資する円建て投資信託で、間接的に外貨資産に投資をするのも選択肢でしょう。
長期にわたって積立投資をすれば、さらにリスクを下げる効果が期待できます。
どれくらいの利益を得たいのか、どれくらいのリスクを取れるのか、投資経験や投資資金も合わせて、仕組みをしっかりと理解できる商品を選びましょう。
金融機関によって、「取扱商品」「手数料」「利回り」などに格差があるため、事前に確認してから投資しましょう。
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